漢方養生 大人になって大切さがわかる漢方 体を冷やさない、温める生活。そのために、東洋の知恵である漢方の養生を日常の生活に取り入れてみる。漢方は医学、薬学、養生学といったものが基本です。中でも養生学の知識が、体を温める、冷やさない生活をするために役に立ちます。 ポイントは!? ポイントは、生活の中でポツン、ポツンと「体を温める、冷やさない」を意識すること。そしてその意識を漢方の知識を使って体現してしまうことです。 サインをみつける たとえば、体のサインを見つけます。体は色々なサインをだしています。肩こり、便秘、不眠といった不定愁訴的なもの、その中に体の冷えもはいってきます。朝、目が覚めた時にお腹をさわってみると冷たかったりする。これは体が冷えているサインです。また、耳を手で折ってみる。激しい痛みがあるとしたら、毛細血管の血流が悪くなっています。それも冷えのサインです。 有機的に動かす気血水 漢方では、体の機能を有機的に動かすもとになるのが、気、血(ケツ)、水としています。気は生命活動のもっとも基本となるもので、生命エネルギーです。生まれる時に両親からもらう気(先天の気)とその後生命活動の中で得る気(後天の気(大気や日の光から得るもの、飲食物から得る栄養物質))から構成されます。血(ケツ)は、全身に栄養を供給し体を潤します。また精神活動のもとにもなります。水は、体内にある水分のことをいい、全身を潤し血の材料ともなります。この3つの要素が過不足ない状態で機能していると健康な体の状態が保てていることになります。体の不調のサインがでると、この3要素のどれか、あるは全てに過不足な状態が生じていることになります。そしてそれは体の冷えにもつながっていきます。 陰と陽 また漢方では、世界は陰と陽の二つの気で構成されていると考えます。体も含まれます。陰と陽のエネルギーがバランスよく保たれている時が健康な状態。しかしこの二つのエネルギーは常に動き変化しています。その動きに合わせながら体のバランスを保つように努めることが必要です。 1日の変化 例えば、1日の変化を見てみますと、日の出から日の入りまでの昼間は、正午を最大値として陽の気が多くなります。一方日の入りから日の出までの間、すなわち夜間は真夜中を最大値にして陰の気が多くなります。陽の気が多くなる時間は活発に活動し、エネルギーを発散させます。陰の気が多くなる時間帯は、エネルギーを体内に溜め込み、静かに過ごすようにします。 1年の変化 年の単位でみますと、春分から秋分までが陽の気が多くなる時期で、夏の夏至が最大値になります。秋分から春分までの時期で、冬至を最大値に陰の時期となります。1日の変化と同じように、陽の気が充実しているときは活発に動き、陰の気が充実しているときには、エネルギーをため込むように静かに過ごすことを心がけます。この陰陽の動きにそわない生活も体のバランスの崩れにつながり、体を冷やすことにつながります。 体と心のつながり 一方で、人間の身体は体と心が有機的につながって連動しています。体と心は離すことができない関係であり、どちらかがバランスを欠けば一方に影響を与えます。心が冷えると体に強い影響を与えることになります。自分で身体のサインを確認することから始め、そのサインを理解し、自分にあった自分なりの対処方法をみつけなければなりません。その方法は他の人と同じこともあれば違うときもあります。どんな形であれ、自分の体は自分の責任で行うものです。温養・養生を行う上で、この認識が一番大切です。それを常に頭におきながら、自分の体にあったやり方、方法を探し、試みていくのが「温養な生活」です。漢方の知識と温養な生活は切り離せないものです。 ◇本内容においては、個人差があり、何かをあるいは品質・効果を保証するものではありません。お読みいただいた方々が、ご自分にあった温養・養生方法を見つけていただければと思います。